人前で緊張してしまうのは、ごく自然なことで、それ自体は何の問題もありません。
しかし、人に対して恐怖感を覚えてしまうなら、あがり症(社交不安障害)という心の病気になっている可能性があります。日常生活に支障をきたすほど過度に反応してしまうなら治療が必要です。
まずは、あがり症のメカニズムについて理解を深めましょう。正しい知識を得ることは解決策を見つける近道になります。本記事で詳しく解説しているので参考になさって下さい。
目次
あがり症の症状
あがり症とは、社交不安障害(SAD)として知られています。不安障害の中で最も多いタイプです。日本では約300万人が社交不安障害を抱えていると推定されています。
例えば、人前で話をしたり、電話がかかってきたり、飲食店で店員に注文をお願いしたりするときは誰でも緊張をします。緊張することは自然な現象ですが、社交不安障害になると、それを過度に意識し過ぎてしまいます。
例えば、こんな症状を経験したことはありますか。
・鼓動が速くなり動悸がする
・赤面する
・汗が大量にでる
・体と声が震える
・泣いてしまう
ほとんどの人は緊張しても、少し時間が経過すれば環境に慣れます。しかし、社交不安障害の場合は時間が経過しても、症状が治まることがありません。その環境から開放されない限り、ずっと緊張した状態が続きます。そうなると日常生活に影響が出てしまうので治療を考える。という訳です。
最初は気にならなかったとしても「また人前で症状が出たらどうしよう」と不安がどんどん強くなり、悪化していくパターンもあります。
社交不安障害は心の病気とされていますが、どこからが自然な反応で、どこからがあがり症(社交不安障害)なのか、明確な境界線はありません。つまり治療が必要だと自分自身が思ったなら専門家の助けが必要です。
あがり症を発症してしまっても上手に付き合っていくことは可能です。治療しながら症状を緩和することも、あがり症を発症しないように環境を整えることも出来るからです。
大切なのは、自分の今の現状をしっかり受け入れることなのです。
反応が起きることへの「恐怖感」が大きな特徴
人前で何かをする場合、大抵の人は緊張をします。緊張することは行動するときに必要なステップで集中力を高めたり、記憶として残したり、神経を活発化させる働きをします。
世界トップレベルのアスリートは緊張状態をキープする訓練をするほど、一時的な緊張は体に良い影響を与えます。
あがり症はその緊張状態が長く、過敏になったときに発症します。緊張を通り越して不安という感情が強くなり、恐怖感を覚えてしまうのです。
例えば、他人と話したり、自分に注目が集まったり、どこかに出掛けたりすることを考えただけで不安な気持ちが強くなります。もし対人関係に恐怖を感じるならば、不安障害を持っていると自覚した方が良いかも知れません。
反応がでてしまう原因
自身の生い立ちなど環境的要因がきっかけで不安障害になるパターンは非常に多いです。
例えば、誰かに強く拒絶された経験をしたり、恥ずかしい思いをしたりすると、強いストレスが脳に残ります。そうすると、また同じような体験をしたくない!という強い拒絶反応を起こすようになる。というメカニズムです。
環境的要因で反応する場合は、不安を感じるような環境を避けるように心がけることで対処します。
生物学的要因として考えるならば「セロトニンの不足」が考えられます。通常、緊張するとノルアドレナリンという緊張物質が発生し、鼓動が強くなったり、汗をかいたり、不安な気持ちになったりします。
そのノルアドレナリンを制御する働きをするのが、セロトニンという脳内の物質です。セロトニンが不足するとノルアドレナリンが過剰になり、不安障害を起こす原因にもなります。
不安な気持ちは脳内物質のバランスが崩れたときに抱く感情だと考えると分かりやすいかも知れません。急に泣いてしまったり、落ち着かなくなってしまったりして、感情が制御できないのはノルアドレナリンが過剰に反応しているときのサインです。
あがり症の治療方法〜専門家に相談〜
日常生活に支障を来たす場合は、病気という認識になるので治療が必要です。社交不安障害を治療するためには大きく2つの方法があります。
①薬物療法
②心理療法
薬物療法は最終手段として考える
薬物療法は脳内のセロトニンのバランスを調整するために投薬する方法です。社交不安障害の人は健康な人よりも脳内の神経伝達物質が過敏になっています。そのためセロトニンを物理的に増やすことで不安や緊張感を緩和することが可能です。
しかし、一度服用すると継続的な投薬が必要であったり、効果が出るまで数週間かかるデメリットがあるので、個人的に薬物療法はオススメはしません。
学業や仕事など毎日不安と戦う必要があるのならば投薬を検討しても良いかも知れません。
しかし今の時代、人前で勉強しなくても通信講座などで学業が可能です。仕事も在宅ワークの需要が高まっています。環境を変えることで解決できる問題もあるのです。そのような訳で薬物療法は最終手段として考えるのが妥当といえるでしょう。
心理療法を最初に試してみる
一人では問題の解決が難しそうな場合、カウンセリングなど専門家の協力を得ることも大切です。自分が社交不安障害なのか専門的な知識のある人に判断してもらうなら、自分にあった対処法を教えてくれます。
カウンセリングを受けることに抵抗があるかも知れませんが、必要なステップであるということは覚えておきましょう。
カウンセラーと話すことに不安を抱く必要はありません。もし緊張で何も話すことが出来なかったとしてもカウンセラーは対応できます。まずは自分の現状を把握するために専門家の力を借りましょう。
あがり症の治療方法〜生活習慣の改善〜
生活習慣の改善もあがり症の克服に効果的な手段といえます。一番簡単で効果的な方法は「外に出ること」です。
太陽光はメンタル面に大きな影響を及ぼします。
なぜなら、太陽光を浴びることでセロトニンが活性化されるからです。注意点として、セロトニンは蛍光灯の光では照度が足りません。太陽光で活性化するので朝日を浴びるような習慣を立てましょう。
しかし、太陽光を長時間浴びれば良い。ということでもありません。長時間というよりも、毎日、定期的に太陽光を浴びるイメージが正解です。
毎日決まった時間に太陽光を2−30分浴びます。それを習慣化するようにしましょう。太陽光の力でメンタル強化ができます。
栄養療法
バランスの良い食事を心がけることも大切です。特に鉄分は「セロトニン」という心を安定させる神経伝達物質を助ける働きをします。栄養が偏ると心身の健康に支障が出ますので、不足している栄養素を意識的にとるようにしましょう。
鉄分の摂取
鉄分サプリメントなどを意識的に摂取することが不安障害のケア・改善のためには効果的だと考えられています。
オススメ鉄分サプリメント「ヒトココチ」
当サイトでオススメする鉄分補給サプリメント「ヒトココチ」は、鉄分の補給としてヘム鉄と、鉄分吸収をサポートするビタミンC、そして注目の成分ラクトフェリンを配合。
ラクトフェリンは、母乳中のタンパク質の約10%~30%を占め体を守るために与える糖タンパク質の一種で、鉄分吸収をサポートする成分として注目されています。
そのほかマルチビタミンを配合、ナイアシン、ビタミンB1・B6・B12、ビタミンA、ビタミンDなどが配合されているので様々な場面でご利用いただけます。
まとめ
社交不安障害も軽度の場合は、外に散歩に出かけることは可能です。
散歩なら出来そう!と思えるなら、朝日を浴びながら数十分のウォーキングを習慣化してみるのはいかがでしょうか?
リフレッシュ効果に加えて、セロトニンも活発化されるので一石二鳥です。
栄養療法や生活の改善は自分でできます。不足している栄養素を意識的に取るようにし、朝日を浴びて1日をスタートしてみましょう。
もし不安障害によって「外出すること」に恐怖感を抱いてしまうなら、一度カウンセリングを受けてみることをオススメします。
冒頭で少し説明したように、不安障害という同じ悩みを抱えている人は約300万人います。もしかすると、あなたもその一人かも知れません。本記事を読んで、あがり症に当てはまるかもしれないと感じた方は一度専門家に相談することも検討しましょう。